サイズ 580x500
こんにちは。36色 色鉛筆で描く『ここち工房』Hiroko. です。色鉛筆で心地いい暮らしを広めたくて、ブログを始めました。
2018年4月に10周年記念として、教室の皆さんと合同で作品展をしました。その時に描いたタイトル題名 静物-林檎と葡萄-です。10年間の総まとめの作品として色々な素材でそれぞれの質感を表現したいと思いました。
硬いもの、柔らかいもの、薄いもの。選んだ素材は、ワイン・グラス・パン・テーブルナプキン・りんご・ぶどう・木のテーブル・コンクリートの壁です。りんごと木のテーブルは、私の好きな素材で、今までたくさん描いてきましたが、今回は他の素材が多いため色のバランスをとるのが大変でした。そして、構図の取り方にも悩みながら描いたお気に入りの作品です。
私が描いた作品の手順や考え方などを、簡単ですが説明します。この絵が少しでも気にいってもらえたら、参考にしてみて下さい。
Table of Contents
無機質な壁と机で、フルーツとパンとワインの静物画を描きました
■今回の作画時間
作画期間 約100日 1日平均1~2時間(平均1.5時間) となると100日×1.5時間=150時間になります。色鉛筆画にも人それぞれ描き方があり、私の場合は何度も上から塗り重ね色を出していく為時間がかかります。
■絵の構図の考え方
今回は素材が多く、それぞれの高さの違いがあります。
この場合、私はよく三角形や扇形を使います。三角形は絶対的な形で、安定感をイメージする形です。
(これはあくまでも自己流の考え方なので、これが構図の取り方として合っているかはわかりません。自己流です。)
初心者の方が構図で悩んだ時は絵の中に三角形をつくるイメージで物を配置するのをおすすめします。
上の図↑言われてみれば三角形?って感じがしませんか。大きい三角、小さい三角の組み合わせです。なんとなく三角形かな?ぐらいでいいと思います。教室でもこの方法を使っています。
私は建物や内装のパースを書いていた為、線や形で区切るのが好きで、アバウトな感じや、ばらばらに感じよく、等は、ちょっと苦手です。
できる人が羨ましいです😊
この作品は、三菱色鉛筆No.880<36色セット> の色鉛筆だけで描いています。
理由は、身近で手頃なものを描くことで色鉛筆画を広めていきたいと思っているからです。
今回使用したのは36色全て使いました。あまり使うことのない、金色と銀色もコンクリートの壁で使用しました。
メモ 金色・銀色について 素材が金属だからと言って金や銀は使いません。あえて言うなら、 金→汚い茶色 銀→汚いねずみ色 と言ったところです。
■描くときのポイント4つ
ポイント ①塗る前に全体の配色を考える ②質感の表現の仕方 ③反射する光と影に注意する ④一番見てほしいところを一生懸命描く(他は適当でもいい!)
■①塗る前に全体の配色を考える
描く前に全体をどんな感じにまとめるか考え、イメージします。完成した姿を想像し近づけていくことが大切です。
いきなり抽象的な話で、難しい話ですが、あまり深く考えなくて大丈夫。
今回は全体をダークなイメージで仕上げようと思いました。そのために全てに使用したのが、はいいろです。
はいいろは、ねずみいろとよく似ていますが、茶色が混ざっているので、ダーク感を出すにはピッタリです。もちろん果物にも使います。鮮やかさが少し落ち着いた感じになります。
全体をしめるコンクリートの壁と木のテーブルですが、ここは特に、はいいろ、金色、銀色をたくさん使用しました。そこを意識して、もう一度写真を見てみて下さい。
新しい発見があるかもしれません。
■②質感の表現の仕方
私は、作品を描くときに質感を重視します。ひとつひとつ触りたくなるように感じてもらいたくて…。✨
質感の出し方は、塗り方のちがいで変えます。もちろん基本の塗り方は円で”まるまる”と描くのですが、(※注1)角度を変えたり、円の大きさを変えたり、楕円で”まるまる”としたりします。
下地の色も重要です。
下地の色で重ねた時に出てくる色や質感が決まります。
今回の素材で一番苦労したのが、パンです。全体にダークなイメージでパンの色も地味なので、少しパサついた乾いた感じを出したかった。
いつもの感じで描くと、焼き立て‼︎ みたいなパンになってしまう💦 パサつき感を表現するためにうすむらさきを使いました。 写真でわかりますか?
(※注1)塗り方の記事はここをチェック
■③反射する光と影に注意する
素材の違いがあれば、反射する光と影の色が違ってきます。
作品の中で光を反射する順番をまとめてみました。
①グラス
②ワイン
③葡萄
④林檎
あとの素材は、光を吸収します。
☝🏼光を表現するのは白抜き。グラスは白抜き多め‼︎ ワインはボトルが黒で液体が入っているので、白抜きプラス黒の色の違いで表現が必要。
くだものは前後や素材の大きさで白抜きの形を変え、影は重さで黒の入れ方を変える。
ワインボトルは一番後ろにあり、林檎で影が隠れて描けないので、ボトルに映る林檎の表現で奥行き感を出しました。
■④一番見てほしいところを一生懸命描く(他は適当でもいい!)
全てに一生懸命描くのではなく、手を抜くところも必要です。私は抜けるところはぬいていますよ。 教室でも同じで『ここは適当に』なんて言っています。
“ここは絶対見てもらいたい”自分が表現したいと思ったところを頑張って描く。
今回、見てほしいところは、上の図の三角形です。この中に全ての素材が入ってるんです。そしてもう一つは、その素材を引き立たせるための三角形の空間。
古代から、三角形は安定の象徴。建築でもトラス構造といい三角形を基本として構成します。頑丈で安定するからです。
この三角形の中にはいる色は少し濃くしています。わかりますか?微妙ですが…。
この少しの色の違いが、私のこだわりです。でもコンクリートの部分はテキトーですよ。(笑)
■まとめ
隙間時間でコツコツ描いたので時間がかかりました。少しの時間でも描いているときは集中できます。最後にもう一度ポイントを整理します。
まとめ ①塗る前に全体の配色を考える ②質感の表現の仕方 ③反射する光と影に注意する ④一番見てほしいところを一生懸命描く(他は適当でもいい!)
使用道具はここをチェック
最後に
ブログ初心者で言葉のチョイスが難しく、うまく伝わるか不安ですが…。
この絵を見た人が、描いた時の私の思いと同じことを感じてくれたらうれしいです。人を惹きつけるには、一瞬の印象と思います。そんな作品を描きたい。
その思いが伝わったときの感覚はたまりません!
絵を描くのは、自分だけの趣味や楽しみもあるけど、知らない人に絵を見てもらい、絵の話しをしたりする楽しみもある。
物で満足していた時代から、これからは、想像もつかない出会いや価値に意味を見いだすことが大切なのではないでしょうか。
私自身、絵を通してたくさんの人に知り合えました。
36本の色鉛筆でステキな経験と出会いができると思います。 色鉛筆で心地良い暮らしを始めましょう。
最後までありがとうございました。